歯のコラム
気づかぬうちに進行?歯ぎしりのはなし
2025.06.13

「朝起きるとあごが疲れている」「歯がすり減っている気がする」——それ、もしかすると“歯ぎしり”かもしれません。歯ぎしりは、睡眠中に無意識のうちに上下の歯を強くこすり合わせたり、食いしばったりする動きのことをいいます。医学的には「ブラキシズム」とも呼ばれます。
歯ぎしりの多くは就寝中に起こるため、自分では気づかないことがほとんどです。ご家族から「ギリギリ音がしていたよ」と言われて初めて知る方も少なくありません。放っておくと、歯が削れたり、ヒビが入ったり、かぶせ物が割れてしまうこともあります。また、強い力があごの関節にかかるため、顎関節症(がくかんせつしょう)や、肩こり・頭痛の原因になることもあります。
歯ぎしりの原因ははっきりとは分かっていませんが、ストレスや疲労、不安、噛み合わせのバランスなどが関係しているといわれています。昼間にも「くいしばり」が無意識に起きていることがあり、仕事中や集中しているときに奥歯に力が入っていないか注意してみるのも一つの手です。
歯ぎしりを完全に止めるのは難しいかもしれませんが、日中のストレスをためこまないことや、リラックスした睡眠環境を整えることも大切な対策のひとつです。「もしかして…」と思ったら、まずは歯科でチェックしてみることをおすすめします。歯のすり減りや噛み合わせの状態を見れば、歯ぎしりのサインが見つかることもありますよ。