歯のコラム
オーラルフレイルって何? ~お口の衰えが健康寿命を縮める?~
2025.08.04

「オーラルフレイル」とは、お口の機能が少しずつ衰えていく“お口の虚弱”状態のことを指します。具体的には、「噛む力の低下」「滑舌の悪化」「食べこぼしが増える」「むせやすい」「舌や唇が動かしにくい」など、日常の中で見過ごされがちなちょっとした変化がサインになります。
このオーラルフレイルは、全身のフレイル(虚弱)のはじまりとされ、進行すると食事量や栄養摂取が減ってしまったり、人との会話が減って社会的に孤立したりと、身体面・精神面・社会面すべてに影響を及ぼします。
その結果、筋力の低下、免疫力の低下、認知機能の低下へとつながり、健康寿命を縮めてしまうおそれがあるのです。
しかし、オーラルフレイルは早めに気づき、対策をすることで進行を防ぐことができます。
たとえば、「よく噛んで食べる」「硬い食材を意識的に取り入れる」「口や舌を動かす体操を行う」「人との会話を楽しむ」など、毎日の習慣の中でできることがたくさんあります。
また、虫歯や歯周病、合わない入れ歯などをそのままにしていると、噛む力や会話に支障をきたすため、歯科医院での定期的なチェックやケアもとても重要です。
「年のせい」とあきらめず、お口の小さな衰えに目を向けてみませんか?
いつまでも美味しく食べ、楽しく話し、いきいきとした毎日を送るために、オーラルフレイルの予防は健康長寿への第一歩です。