歯のコラム
キシリトールについて
2023.03.23
キシリトールの虫歯予防効果は、古くは1970年代から研究され効果が実証されてきました。これまでキシリトールに関する研究が様々行われてきましたが、キシリトールを使用した群と、使用しなかった群では、キシリトールを使用すると30~80%の確率で虫歯の予防効果があったと報告されています。
キシリトールの作用
キシリトールが虫歯を予防するのには、2つの作用が要因として挙げられます。
- 唾液分泌
キシリトールは、糖アルコールの1種であり唾液の分泌を促します。唾液には口腔内の自浄作用や殺菌、再石灰化など虫歯を予防する効果があるため、キシリトールによる唾液分泌は虫歯予防につながります。 - 酸生産がない
虫歯は細菌が産生する酸により歯の表面が溶け脱灰することから始まります。キシリトールは口腔内の細菌による酸の産生がほとんどなく、虫歯の原因菌であるミュータンス菌(Streptococcus mutans)活動を阻害することが報告されています。
キシリトールの上手な使い方
キシリトールは、先に説明したように唾液分泌を促進することや、他の糖アルコールと異なり細菌による酸の産生がないため歯質の脱灰が起こりにくいことが分かっていますが、キシリトール自体に虫歯を治療する効果はありません。
そのため、キシリトール配合のガムやタブレットを摂取したとしても、十分に口腔清掃が行われていない限りは虫歯を予防するには不十分です。キシリトールによる虫歯予防は十分な口腔清掃が必須となります。その上で、口腔内に長く残るガムやタブレットを活用することが虫歯予防効果を向上します。
まとめ
キシリトールの虫歯予防効果については、50年以上前から多くの研究結果が発表されてきました。現在、キシリトールは追加型の虫歯予防と位置付けられています。毎日の口腔衛生や、定期健診、フッ化物塗布と併せて効果的にキシリトールを活用することでお口の健康維持に努めましょう。