歯のコラム
詰め物が取れる原因
2023.05.20
虫歯治療では、感染した歯質を除去した後、欠損した歯質を補わなくてはなりません。
その場合、一般的に比較的資質の欠損が小さい場合にはレジンによる充填が行われ、その他にはインレーと呼ばれる詰め物の治療が選択されています。
今回は、詰め物が取れてしまう原因と、取れてしまった際の対応についてご紹介いたします。
詰め物が取れる4つの原因
長らく使用していた詰め物が取れてしまった場合、以下の4つの原因が考えられます。
- セメントの経年劣化
予後良好に機能していた詰め物も、セメントが経年劣化することは否めません。長年、唾液にさらされることで、セメントの劣化が起こり、詰め物が外れることが想定されます。 - 2次カリエス
2次カリエスとは、歯質と治療した箇所との境目から虫歯が発生し、治療が必要になった状態です。歯質と詰め物の境目は、どんなに調整しても、天然歯の歯質とくらべてプラークが付きやすいギャップができてしまいます。 - 咬合の変化
歯周病や虫歯により他の歯が動揺する、喪失するといった現象が起きた時、咬合が不安定になり、以前に比べて詰め物が強く対合歯(向い合う歯)と咬み合わさることがあります。集中的に強い咬合力が詰め物に当たってしまうと、詰め物の破折を招き、歯から取れてしまうリスクがあります。 - 食いしばり、歯ぎしり
重い荷物を持つといった日常生活の中での食いしばりの他、就寝時の歯ぎしりも詰め物に悪影響を及ぼします。食いしばりによる荷重は、詰め物のたわみを引き起こし、歯ぎしりは詰め物の摩耗の原因となります。
詰め物が取れてしまったら
しみる、痛いといった症状がなくても早めに歯科受診しましょう。歯質が欠損しているため歯髄に近く、時間がたつと不快症状が発生するリスクが大です。
可能でしたら詰め物を小さな袋やラップなどにくるんでお持ちください。詰め物の土台に虫歯がない場合には、再装着が可能な場合もあるため、お持ちいただくことをお勧めしています。再装着は必ずできるものではありません。歯質の微細なかけや、虫歯により再装着ではなく、詰め物の再製作が必要となることがあります。
状態よく経過していた詰め物であっても経年劣化などにより取れてしまうことがあります。取れてしまった場合には、ご自身で判断することなく、一度お早めに当院までご来院ください。患者様のそれぞれのお口の健康に適した治療のご提供に努めております。