歯のコラム
市販の歯磨き粉(ホワイトニング成分入り)の効力
2023.10.08
スーパーやドラックストアには、様々な効能の歯磨き粉が販売されています。中でも、ホワイトニング効果の商品は “ステイン(着色汚れ)の除去”といった記載が多いです。
今回は、市販されているホワイトニング対策の歯磨き粉についてご説明いたします。
“ホワイトニング効果のある歯磨き粉には、歯科医院のホワイトニングと同じように歯を白くできるか?”
残念ながら市販の歯磨き粉だけでは、歯を内部から色素を漂白できる歯科医院のホワイトニングと同様に白くすることはできません。
市販の歯磨き粉のホワイトニング成分
市販されているホワイトニング効果のある歯磨き粉に含まれる成分には、一般的に次の4つが採用されています。①薬用ハイドロキシアパタイト
歯や骨といった人間の硬組織を構成する天然のハイドロキシアパタイトに類似した成分で歯の再石灰化を促します。歯の表面についた小さな傷を修復し、プラークやステインを蓄積しにくくする効果があります。
②ポリリン酸ナトリウム
ホワイトニングを効能とする歯磨き粉の成分としては比較的新しいものにポリリン酸ナトリウムがあります。ポリリン酸ナトリウムは、食品添加物として乳製品や肉加工品に利用されている成分です。ステインを除去する作用があり、併せて歯をコーティングするため色素の再付着を予防する効果があります。ピロリン酸ナトリウムもポリリン酸ナトリウムと類似した効果があります。
③ポリエチレングリコール(PEG)
ポリエチレングリコールは、分子量によって用途が異なりますが、化粧品やシャンプーなどの他、錠剤のコーティングなど様々な用途で使用される成分です。歯磨剤では、ポリエチレングリコール400などと記載されていることが多いです。特にタバコによるヤニの蓄積を浮かして除去することに優れています。
④研磨剤
ステインを除去することには優れていますが、強い圧で磨くと、研磨剤の粒子によりエナメル質を傷つけてしまい更なる着色を起こしやすくなります。また、最表面にあるエナメル質が薄くなるとその真下にある象牙質の色調が透けて見えやすくなるため歯が黄色く見える一因となります。
まとめ
歯磨き粉のホワイトニング成分の多くは、ステインの除去を目的に添加されています。研磨剤は一時的に歯の表面がきれいになりますが、歯を傷つけてしまうリスクにも注意が必要です。当院では安全に健康的な白さにするホワイトニングも施術しておりますので、歯の色が気になる方はお気軽にお尋ねください。